あたしは
裏庭にたびたび
訪れるようになった。




相変わらず
バックミュージックが
流れる裏庭での、


ほんの少しの時間。



ぼんやりとバラの成長を
見届けて、


手入れをしているヒオカ先生と
運よく出くわしたら

少し会話をかわすくらい。





話によると、


ここのバラは10種類あって、
合計50株も栽培している。



もともと
このバラを育てていたのは

ヒオカ先生の前任の先生で、

強引に花壇も
引き継ぎさせられたんだとか。



前任の先生の実家が
バラ農家らしく、

あまった株を学校に植えたのが
はじまりなんだって。




それから、
駐輪場が出来ても、

バラの花壇は
残してもらえるらしい。



これからもここで
バラが咲きつづけることになる。



よかった。






ヒオカ先生とは、


人目があるから、
校内で話すことはない。



別にやましくなんてないけど、
あらぬ噂が立っても嫌だから。


まぁ、すれ違うことも
あんまないんだけどね。