”ただ、愛されたかった…”

「いらっしゃいませ。今日は、どうなさいますか?

 はい、パーマですね。申し訳ないですけど、

 こちらに、お名前お願い致します。」


 「すぐ、お呼びいたしますので、

 あちらの席で、お待ち下さい。」


 「伊藤様、お待たせ致しました。

 シャンプー台の方へお掛け下さい。」

 
 「瑠理さん、2液(パーマの薬)

 お願いしまーす」

 
 「はい、わかりました」


 「瑠理さん、次の方、シャンプーお願いしまーす。」

 
 「はい、わかりました」


 「瑠理さん、あちらのお客様、

 テストまで何分ある?」

 
 「はい、5分です」

 
 「鳴ったら、2液お願いします。」

 「はい、わかりました」

 
 瑠理は、シャンプーを、担当するように、

 なっていた。

 薬局を経営している

 奥様が、いつも指名してくれた。

 ただ、このお客様、強めが、

 好き。

 シャンプーしてる途中から、汗が

 止まらない。

 手もつってくるし。

 なにげに先輩は、このお客様のシャンプー

 嫌がっていた。

 
 それでも、指名してくれるのは、

 やっぱり、嬉しいかな。