”ただ、愛されたかった…”


 「あ~もう、お金がない!」

 そんな言葉が、思わず瑠理の口からでた。


 「いっそないから…よし!」

 ちょうどその時見ていた雑誌に、ボーカルの通信講座というのが

 目についた…。

 かかる費用、1ヶ月3500円…。

 よくわかんなかったけど、どうせ、お金は、足りないんだ!

 3500円支払いが増えても、たいして差はない!

 

 「申し込もう!」


 メチャクチャな考えから、ボーカルの通信講座を、

 習う事になった。

 この通信講座、少し変わっていて、

 リズムの勉強とかは、いっさい無かった。

 送られてきた課題曲を、練習し、自分で歌う。

 それを、録音し、送る。

 それに、対して、気をつける所、いい所などが書かれた、

 評価が、送られてくる。

 でも、瑠理には、すごく楽しく感じられた。

 毎月、どんな評価が送られてくるか、

 楽しみだった。


 仕事以外の時は、だいたい歌っていた。


 リズムは、乗れないし、高い音は、でないし、

 大変!


 でも、歌う事は、嬉しかった。


 母親との事があってから、歌う事を、拒否していた…。


 ”無いと思うから、そこに無かった!


 あると思えば、まだそこにある…”