”ただ、愛されたかった…”

 ”やった~!”

 お金もたまり、部屋も探し、職場も決まった。


 本当に、嬉しかった。



 夏美(美容学校の友達)の家が近くなった。

 

 なによりも、よき相談相手の夏美が、傍に居た事は、心強かった。




 新しい生活は、全て新鮮だった。


 いろいろな事に挑戦してみたかった。


 
 ヘアーメイクの学校に行きたかった。

 
 
 一人暮らしをしながら、学校に行く資金をためた。

 一年位の期間に60万円頑張って貯めた。




 働きながら、一週間に二回、メイクの学校に通うようになった。


 メイクの勉強は、楽しかった。


 学校の課題で、モデルさんが、必要になった。その時の先生が、


 「瑠理さんは、顔が広そうだから、いっぱいモデルさん連れて来てね!」


 笑いながら、先生が言う。


 「いえ…。そんなでも…。」

 瑠理も、笑いながら、首を傾げて答えた。




 瑠理は、新しい友達を作る事が、苦手になっていた……。



 ”人からは、そういう感じにみえるんだ…。”



 人の見方なんて、案外いい加減だ!なんて思った。




 ”だから、そんなに、傷つかなくて、よかったのに…”