オーディションが終わってしまい、瑠理の心は、つまらなくなっていた。


 学とも、別れてしまったし…。


 自分は、これから、どうしていくんだろう?


 そんな事ばかり、気になった…。


 仕事……仕事を頑張るしかなかった……。


 美容師の仕事に憧れとか、そんなものは、本当は無かった…。


 

 オーディションの合格通知は、来なかった……。


 瑠理の夢は、終わった…。


 本当は、また受けに行きたかった…。


 でも、母親とした最初で最後の約束…。

 
 母親との約束を、破る事は、瑠理には、出来ない…。


 時々、母親の愛情が、見えなくなるが、感謝もしていたし、尊敬もしていた。

 
 だから、破れない…。



 瑠理の夢は、終わった………。


 
 心に、ぽっかり穴があいていた……。


 その穴を…ごまかして、生きていた。


 表面上だけ、取り繕って…。


 楽しくなかった……。