”ただ、愛されたかった…”



「瑠理、今度、海に行こうよ。」

 学は、いつもと変わらない様子で、話している。



 「…学、私、少し距離おきたいの…。ちゃんと考えて欲しいの、

 私でいいのか…、私も、考えたいし…。」


 瑠理は、この前の里美の件があってから、ずっと考えていた。

 このまま、学とズルズル付き合う事に迷いがあった…。


 「ふ~ん、別れたいんだ…。もう、好きじゃないんだ、俺の事。」



 「そうじゃないけど…」



 「夢が大事なんでしょ!なんだかんだ理由つけて、結局、俺より夢を

 とるんでしょ!」





 
 「そうだよ!あんたみたいに女癖悪くて、嘘つきな奴より、夢を、私は、大事

 にしたいんだよ!」

 瑠理は、言ってしまった…。

 確かに、夢は、大事にしたい…でも…。

 勢いで、学に……言ってしまった…。


 別れた後の学の後ろ姿が、悲しかった…。

 少し、距離をおきたかっただけなのに……。



 もう、後には、引けなくなった……。