”ただ、愛されたかった…”


 「ねぇ、学、近くまで来てるんだ。少し学の家に寄るね。」

 瑠理は、学の返事を聞かずに、電話を切った。

 学の家のすぐ傍から、電話を掛けていた。

 学が、家に居る事を、確認した後で…。


 ”ピンポーン”


 「なに、さっきの電話!来ていいって言ってないじゃん!」

 学は、機嫌が悪そうに言った。


 「ごめん、これから気をつける。」

 瑠理は、そう言って、学の部屋に入った。



 
 ”学の携帯がなった”

 学は、部屋から出て行った…。



 「ない!」

 
 机の上に二人の写真が飾ってあったのに…

 写真立ても、写真も無くなってる…。

 瑠理の視線が、隣のゴミ箱に移った…。ちょうどその時、学が部屋に戻って来た。


 瑠理は、ゴミ箱にビリビリに破いてある二人の写真を、見つけてしまった…。


 
 「なんで?」

 瑠理は、黙って立っている学を睨むように、そう言った。