”ただ、愛されたかった…”

 「瑠理、やっぱり、ちゃんと由美の親に

 詫びに行った方がいいと思うよ。菓子折りでも

 持って。私、一緒にいくよ」

 友達の優華が、そう言ってきた。

 …複雑だった。

 ”由美が男と居なくなった事、みんな私(瑠理)の責任

 だと思ってる…。”

 働いてる美容院にまで「あんたのせいで、由美は居なくなったんだ」

 と、電話で言われる…。

 精神的にボロボロだった…。

 自分の気持ちを吐き出す場所が無かった…。

 優華の提案は、気が進まなかったけど、

 従う事にした…。

 そうするのが、一番丸く納まって、一番いいと言う。

 私(瑠理)の気持ちは、ぜんぜん納まらないけど…。

 

 「由美の事、本当にすみませんでした。」

 由美の両親に謝った。

 その時は、返事は返ってこない…。

 優華が、由美の両親と雑談してる…。

 身の置き場がない…。

 でも、帰る時、由美のお父さんが、

 「瑠理ちゃんだって、犠牲者だよね。信じてついて行って、

 裏切られたんだよね。辛かったね…。」


  …泣いた…。

 誰かに、そう言って欲しかったんだ…。