そんな願いも空しく、二人はそっくりな笑顔で私に手を振り始めた。 「バイバイ」 私も遮る雨をはじくようにして、何度も何度も手を振った。 ゆっくり二人の姿は、だんだんと雨の中に溶け込むようにして薄れていってしまった。 私は絶対に、想太を忘れない、忘れたりしない。