大切な人を亡くしても〜未来へ〜




 その時だった。


水色の空に白い雲が重なり合い、浮かんでいる中、幾つものきらきらと光を帯びて散らばる雨粒がほおを伝った。


「もう、行かなくちゃ」
 ブランコをこぐのをやめ、彼はそう言った。



 すると、私の目の前にやってきて、ポケットから大切そうに何かを取り出した。