目を閉じて、彼の笑顔を思い浮かべてみた。



 なぜか、想太の匂いが私を包み込んでいるように感じた。



 こうしていると、まだ彼が近くにいるような、そんな錯覚をしてしまいそうだ。



 この場所だけは、彼の居場所として、ずっと残ってくれるような、そんな気がする。



 心地よい風が、私のほおをなぞった。