――これが君と最後の夜と知っていたなら――― もっと心を開いてぶつかればよかった…… "愛してる" その言葉は最後まで言えなかった。 ―――これが最後の言葉になるだろう―― そう思えばもっと言葉を大切に出来た。 身も世もない哀しみが くるのは決まってんだから 今、伝えなきゃいけなかったんだ。 伝えなきゃ…いけなかったのに。 「それじゃあ…」 俺は病室を出た。 美鈴の笑顔もこれが最後だなんて知りもしないで……