真冬と言う存在。

俺には、さっきまで恐怖のでかい塊に見えていた。


でも、今は小さなか弱い女性に見えた。




「なぁ…真冬」



名前を呼ぶと、真冬はゆっくりと俺を見る。




「"愛してほしい愛してほしい"って求めるだけじゃ駄目だ。"側に居てくれないと"って相手を脅してるようじゃ駄目だ。そんな何度も"好きだ"なんて簡単に言っちゃ駄目だ」




そして、真冬の頭にポンと手を乗せる。






「自分の言った言葉の重みを考えろ。 愛し方を間違えるな」





そして、俺は真冬を残し
公園から出た時、





「星夜!」



真冬の叫び声に振り返る。


「星夜は美鈴さんって人のこと、愛してるの?!」



俺はニコッと笑う。



「あぁ!」



「すごくすごく、愛してるの?!」













「あぁ!!すごくすごく愛してる!」



すると、にこやかに笑いながら真冬が手を降った。






「さよならっ!」



そして、俺も手を降った。


真冬のあんな笑顔を見たのは久しぶりで、気持ちが軽くなった。



さよなら、真冬。


さよなら。