美鈴のお母さんは
30分もしないで病室から出ていってしまった。


もしかして…
気を遣わせてしまったか?


「悪いことしちまったな…」



俺が呟くと美鈴は、

「いーの、いーの」

なんて、言っていた。




それから、2時間ほどいて
病室を出た。


病室のドアを美鈴に手を振りながらゆっくりと閉める。


「帰るか…」



そう言って振り返ると、









「うわあああ!!」



そこには、冴えない顔をした美鈴のお母さんが立っていた。



「あ、えっと…」


あまりにもでかい反応をとってしまったから、言葉が出てこない。







「あなたにお話があるの」


「え?」


俺に…話?


「ちょっと時間もらえるかしら?」



何故だろう。


「…はい」


鳥肌が立った。
聞きたくなかった。