「ねぇ、星夜くん」 帰り道、美鈴が静かに切り出した。 「何?」 "聞きたくない" 何度も心の中で叫ぶ。 「あたし、明後日から入院になっちゃった。えへへ…」 力なく笑っている美鈴を見て胸が引き裂けそうな思いだった。 「そんな顔で笑うなよ」 俺は美鈴の左手を 力強く握る。 「毎日会いに行くから」 「うん」 美鈴は俺の右手を 力強く握り返した。