「はぁ、はぁ…」

やっと着いた…。
時刻は…8時40分。

よかった、間に合った。

あ、人だかりだ…
と、いうことは、あそこはクラス表か。


私は人だかりへと足を進めた。

「あれぇ、何もないじゃんか…」

肩を落として、またクラス表を探す。
…その瞬間

「まぁ~いっっ」
「…っっ!!?」

いきなり背中が重くなり、バランスを崩した。

あぁ~もう!
今日だけで何回転びそうになるのよ!!

「もう、危ないでしょ、紗柚!!」

少し不機嫌なまま振り向く。
すると紗柚は、「ごめ~ん…」といってあからさまに落ち込んだ。


この子は

花田 紗柚 15歳

私とは保育園からずっと一緒。
よく、雰囲気が似てるとか言われる。
だけど、私とは正反対。

パッチリとした大きな目
すごく小さな顔に、きれいな長い髪
身長は157cmくらいで、モデルみたいな体系。
男子からも女子からも人気がある。


一方私は、
身長が160cmくらいのくせに、そう大人っぽくもない。
逆に、小さくてかわいいだの、守りたくなる感じだの、子供扱いされる。
でも、別に大人っぽいとか言われたいわけじゃない。
むしろ、守ってもらいたい。
私は、面倒見のいい男らしい人が好きなのだ。
…ひろ兄みたいに。いや、ひろ兄がいいのか。

なあんて、心の中で語っているうちに、いつの間にかクラス表のところまできていた。