急いで学校へと向かう。
…その時だった。
腕を急につかまれ、バランスを崩した。

「…っ!!?」

危ないなぁ!!
後少しでこけるとこだったじゃん!!!

そう怒鳴ろうとして止めた。

だって、あの制服は私と同じ制服だったから。

「かわいぃね。1年?」
「俺らと遊ぼぅよ」

げっ、こいつらナンパかよ。

と思いながらも返事はする。

「これから入学式なんで。すいません…」
「ヒュー、声までかわいいね」
「先輩の言うことは聞かなきゃダメだよ?」
「早く遊び行こうよ」

…こいつら、人の話を聞いてねぇ…

「行くよ」

いきなり腕をひっぱられ、またもバランスを崩す。

「ちょ、やめてください!」

必死に抵抗するが、かなわない。

その時…
グイッ
肩を掴まれ、いきなりひっぱられた。

…誰?

そう思って後ろを向くと、

「…1年に手ぇ出してんじゃねぇよ、クズどもが」
「あぁ?!先輩に対して、なんだその態度ぉ!!」
「こいつ、どっかで…」

その一言でみんなの顔が真っ青になった。

「こ、こいつ…」
「椿野、敬人っ…!!」
「に、逃げろっっ」

それを合図に、先輩たちはどこかへ走って行った。