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飄々(ヒョウヒョウ)としてて、悩みがなさそうだ。

私が主任みたいな性格だったら、こんなにも悩まないのかな?

いつも楽に毎日を過ごせるのかな?

主任の後ろ姿を見送りながら、私はそう思った。


「――本当にきたやんけ…」

郵便受けに入っていたデカい封筒の送り主を見てみると、母親からだった。

「顔を見て相手の確認をしろってか?」

そうぼやきながら、部屋へと足を向かわせた。

カバンから鍵を取り出すと、中に足を踏み入れた。