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メイクやファッション、芸能人とか恋とか。

周りの女の子たちがそんなことで盛りあがる中で、私はいつも1人で小説を読んでいた。

私にも、いつか王子様が現れる。

その王子様と、ロマンチックな恋をする。

そんなことを夢見ては、現実から逃げた。

別に1人になったって、私には王子様がいる。

王子様がいつか私を迎えにくると、そう信じていた。

昔の出来事に浸っていたら、家の電話が鳴り出した。

こんな時間に誰かしら?

そう思いながらソファーから腰をあげると、電話に向かった。