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普段の彼――つきあっていた時の彼は、恋愛小説の中から飛び出してきた王子様みたいに優しい人だった。

けど、その裏では私で遊んでいた。

要するに、私は彼のお金の道具にされただけだった。

その事実を聞いてしまった私はショックで、その場から逃げ出した。

視聴覚室に駆け込むように入って、1人で泣いた。

――桃井が好きだからつきあって欲しい

そう言って告白してきたくせに、本当は何にも思ってなかった。

ただ単に、私を道具にして遊んでいただけだった。

あまりのショックで次の日、私は熱を出して3日間寝込んだ。