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目を開けると、
「――あっ、夕方…」

視界に入ったのは、暮れかかった空だった。

「――そうか…」

日曜日で休みだったから、ソファーのうえでお気に入りの恋愛小説を読んでいた。

それで、うたた寝しちゃったんだ。

それにしても、
「ヤな夢見ちゃったな…」

まだ高校生だった頃の出来事だった。

つきあっていた彼と自然消滅してから起こった、最悪な出来事だった。

彼とその彼の友達とで、私を賭けの対象にして遊んでいた。

友達からお金をもらった彼は、極悪人みたいな笑顔を見せていた。