１１０７

私と姫島北斗がつきあうって言うの？

「ジョーダン言わないでください」

私は言った。

「何かのバツゲームですか？」

――バツゲーム。

口に出しただけなのに、敏感に私の心がざわつき始めた。

あれは、過去の出来事じゃないのよ。

思い出しそうになった出来事を、必死でかき消した。

「違うよ」

そう言った姫島北斗の顔は、真剣だった。

何が違うと言うのだろうか？

「本当にそう思ってるから。

それに…」