「彼女を補佐役に選んだのも知っている人との方が仕事しやすいし、それに何より会社に長くいるって言うのもいいからだよ。

なっちゃん――桃井さんって、少なからず君たちよりも仕事ができるんでしょ?

何にも知らない新人よりもベテランで、顔見知りで、仕事のできる方が補佐役に向いてるから選んだだけのことだよ。

それから今後いっさい、なっちゃんの悪口を言わないでくれる?

君たちだって悪口を言われたら傷つくでしょ?

そのうえ仕事をサボって給湯室で遊んでいるようだったら、こっちにも考えがあるよ。

君たちのクビを切ることくらい簡単だよ」

「ごめんなさい…」

バツの悪い顔をしながら、女子社員たちが給湯室を出て行った。

これって、助けてくれたの?

と言うか、かばってくれたの?

そう思っていたら、
「お茶でもいかが?」

いつの間にか、私の目の前に姫島北斗がいた。