フローリングに両足をつけると、ふうっとため息をついた。

社会人って、ホントに損よね。

そう思いながらベッドから腰をあげて歩こうと足を踏み出した時、
「――わわわっ…!」

足が何かにつまづいた。

ドターンッ!

「イタタ、何よ〜!」

視線を向けると、
「――えっ…?」

この人は誰?

床のうえに、スーッと寝息を立てて眠る1人の男がいた。

パーマのかかった茶色の髪に、キレイに整った顔立ちだった。

スーツを着ているところを見ると、どっかのサラリーマンだろうか?