俺は、その少女が濡れないように傘をその少女の真上に当てた。



「濡れてんぞ…」



俺がそう言うと、うずくまって泣いていた少女は俺の顔を見上げて言った。



「なんで……お兄ちゃんは優しくしてくれるの??」



俺はすぐにこう言った。



「お嬢ちゃん見てると、昔の俺を見てるみたいだったから………」



「お嬢ちゃんじゃないよ、私の名前は美咲!!」