俺は店を出てすぐ、ある人の携帯に電話をかける。 俺の身内は世間のヒーローから悪徳までそろっている。 俺が電話をかけたのは、探偵をやっている叔父で【神崎孝之】母の姉貴の夫だ。 「もしもし、叔父さん、調べて欲しい人がいるんだ」 「名前は?」 眠そうな声で言う叔父。 「村田電気店ってオークションで出展してるやつ、実際のところ企業かどうかわかんないけど」 「他に手がかりは?」 「いまから詐欺の被害者に村田電気店が教えたアドレスと電話番号を送るよ」