俺はいままで大学で感情を出したことなんてなかった。



「あなたの父を殺した男を、私は知っているわ。」



冷静な顔で、夏美は微笑みながらもう一度父を殺した人間を知っていると言った。


俺がまた飛びかかると察した廉は、すぐに俺を押さえつける。


「早く言え!!誰なんだ!!」


俺は必死に叫んだ。



「誰かって…それは等価交換じゃない??」


こいつ、ただ者じゃない…



俺は脱力して、大学のカフェの床ということなどすっかり忘れて、座り込んだ。