「ははははは、そうか………やだよね、残念だなー」 そう言って、夏美はいきなり笑いだした。 「なにが残念なの?」 わからない。なにを考えているかが、俺は夏美の心を少しでも詠むために、問いかける。 すると、夏美は笑うのを止めて言った。 「お金取り返してくれたら、あなたのお父さんを殺した奴………教えてあげたのにな」 俺はその言葉を聞いた瞬間…場の空気が冷たく凍りつくような感じがした。 なんだ、こいつ。どういうことだ。本当なのか。なんだ、なんなんだ。 俺は、自分でも驚くほど…冷静さを失った。