「どうしたの??」 俺は、名前を呼んだっきりずっと下を向いている彼女に向かって優しい口調で言う。 「助けてほしいの…」 「助けてほしい??」 俺は夏美の言葉を聞き返す。 俺は弁護士でなければ警察官でもない。 「うん、翔太くんさ、中学生の頃……身内が詐欺にあって詐欺を仕返したって聞いたからさ。」 静かに夏美は言った。 確かに俺は一度詐欺をした。 ………なんでこいつがそのことを、知っているんだ? 一度だけだった。兄ちゃんが詐欺に合った時だけ。世間には知られていないはずだ。