そうして俺と美咲は、大学から近い、俺の住むアパートに到着した。 「ボロいところですね…」 「しょうがないだろ…俺はまだ大学生だ。収入がない。」 俺は冷蔵庫からコーラを取り出して、それをコップに注いで、美咲に手渡す。 美咲の表情は、さっきの正門で泣いていた時よりも安心したのか、笑みがこぼれるくらいになっていた。 昔の俺に本当にそっくりだ。 そう思いながら、俺も美咲が座っている小さなテーブルに向かうようにして座り話を聞く。 「さっきのワンクリック詐欺の話…詳しく聞かせて。」