俺は一度前を向いて、振り返って美咲に言った。 「わかった。濡れてるし、俺の家来いよ、近くのアパートだから、歩いてすぐだ。」 俺がそう言うと、美咲は黙りこんでしまった。 「……………。」 詐欺に引っかかって、人を信用できなくなってしまったのだろうか。 「なんもしねぇよ!!俺、童顔な女なんて興味ないから。」 俺は美咲の心の壁を砕いてやるために冗談を言った。 「そう言うこと、普通ははっきり言わないんだよ。」 呟くように美咲が言う。 「知るか!!」 俺はそう言って歩き出す。