一時間程して,森の中の野営地に着いた.
野営地といっても巨木の下に大きめのシートが敷いてあり,その上に薄い毛布が4,5枚そしていくつかの荷物が置いてあるだけだ.

基本テントなどは持ち歩かない.
あっても邪魔になるだけだ.



「疲れた」


亜修羅が銃や荷物を投げ出し,毛布に潜り込んだ.


「その前にご飯でしょ.皆腹減ってるんだから」



紅が亜修羅を引きずり出した.文句を言うが,紅に睨まれて黙ってしまった.



「男子は火をなるべく小さく起こして.麻白はウチと一緒に準備,亜修羅は肉の調達.
最近食べてなかったからね」


紅は皆に指示すると麻白と二人で何処かに行った.


「じゃ,アタシも行って来る」



亜修羅もモンドラゴンM1908を背負って行ってしまった.残された男子三人は火を起こす準備を始めた.

しばらく戻って来た紅と麻白の手には大きくて表面がツルツルした葉と小指の爪ほどの大きさの黒い実が沢山あった.