「私の友達の息子さんがね、今独り暮らし中なんだけど、凄い家事が得意なのよ。だから、その人にアンタの事頼んでおいたから。はい、これ住所。」

と、お母さんは私に住所が書いてあるメモを渡し、馬鹿親父と一緒にイタリアに行ってしまった。

てか、さ……
なにも、娘に転勤の話をした2日後にイタリアに行かなくたって良いじゃんー!!
私だってさぁ、心の準備っていうのがあるんだっつーの!!

しかも、今まで住んでた家も勝手に契約を今日までにして……

娘を知らない男のところにやって、心配じゃないのかー!!

はぁ……
しょうがない。勇気を出して行くか……
住む場所も他にないしね……