トモくんとチハルちゃん





洗い終わったトモくんが浴槽に入ってきた。



「おー。溢れる、溢れる。」


「わー!もったいない〜。」



勢いよく入ってきたトモくんのせいで、お湯がたくさん溢れる。



「あー…。気持ちいい。極楽だぁ。」


「極楽だねぇ、ふふ。」



頭にタオルを乗っけたトモくんが、気持ち良さそうに目を閉じた。

私は、ふぅ、と息を吐いて隣でおとなしく、じっとしていた。



「ん、チハルちゃん。」


「え?」



急に手首を引っ張られたので、驚いて見ると、とろん、とした目のトモくんと目が合った。



「どしたの?」


「いいから、こっちおいでー。」



やや強引に引き寄せられて、気付くと後ろから抱きしめられていた。