「トモくん、ギュってしていい?」 「へぇ?どしたの。」 座って靴を脱いでいたトモくんは、驚いて私を見る。本当に素直なリアクションをする人だよなぁ。 「フフ。何でもないよ。」 ゆっくりと背中に抱きつくと、トモくんは少し戸惑った様子でじっと動かずにいた。トモくんの背中にほっぺをくっつけると、グフフ、とトモくんが笑った。 「俺の事なんでも分かるんだね。」 「んー?」 「チハルちゃん、好きだよ。」 お腹にまわった私の手を優しく握って、呟くようにそう言った。