トモくんは時計を見ると、まだちょっと時間あるなぁ、とポツリと呟く。私は、特に何も言わずトモくんを見つめていた。 「ん、チハルちゃん。」 トモくんは両手を広げると、ニッコリと笑って、包むように抱きしめてくれた。 「こら、仕事遅れるよ~。」 「グフフ。ちょっとだけだよ。」 私もトモくんの背中に腕をまわすと、耳元でいつもの笑い声が聞こえた。 「チハルちゃん可愛い。」 「やだ、恥ずかしいからやめて。」