「あ、そうそう。これ頼まれてたやつ!」 そう言ってお母さんが差し出したのは、メモ帳のようなもので表紙に、チハルちゃんと書いてあった。 「あ、黒豆のレシピ!あ、他にもいっぱい!」 トモくんが黒豆が少し苦手だと知って、美味しく作れるレシピをお母さんに聞いていたのをすっかり忘れていた。 「トモの好きなやつ書いてあるから、作ってあげて。」 「ありがとうございます!大切に使います!」 これで、トモくんにお母さんの味を作ってあげられるなぁ。出来るかな…、私に。