「グロスしてみたの。なんかね、グレープフルーツの香りだったかな。買っちゃった。」 「すげぇなぁ。美味そう。」 「う、美味そう?」 プルプルしてて、なんだか美味そうだなぁ。 「チューしてもいい?」 「え、あ、う……。」 返事も聞かず、唇を重ねると確かにグレープフルーツの匂いがした気がした。 「あ、トモくんにもついてる!」 「え?あ、ほんとだ。」 玄関の鏡を見ると、俺にもグロスがついていた。当たり前だけど。