「な、何!?」

驚く高坂に、さやかはチケットを突きだし、

「あたし達は、この世界の為に動く義務はない。だけど〜動くならば、お金が必要です!」

にやりと笑った。

「く!」

顔をしかめた高坂とは違い、緑は拍手した。

「さすが!如月部長!頼りになるわ」

感心する緑。

「さあ〜行くわよ」

さやかは、自分の肩を掴んでいる高坂の腕を取ると、強引に歩き出した。

「お、お前達は〜学園内の様子を探れ!」

引きずられながら、高坂は舞と緑に指示を飛ばした。

「はいはい」

頷いた2人は、高坂達がいなくなった後、軽くため息をついた。

「それにしても…この世界に来てから休む暇はないわ」

緑は、制服のネクタイを指でほどくと、奥の部屋に進んだ。

「男連中がいない間に、シャワー浴びるわ。あんたはどうするの?」

「あたしゃ〜まだいいわ」

舞は再び、パソコンを向き合った。

「あ、そう」

ネクタイを取り、シャワー室に向かおうとしてから、緑は思い出した。

「ところで〜輝のやつはどうなったんだ?」

顔をしかめた緑に、舞はキーボードを叩きながらこたえた。

「さあねえ。でも、あいつは殺されても、死なないだろう」

「そうだな」

緑は納得して、隣の部屋に入った。





「へぇ〜」

その頃、拉致された輝は…西館の一室で尋問を受ける寸前だった。

「さあ〜吐いて貰うわよ。貴様らの目的を!」

椅子に座らされ、後ろ手に縛られた格好の輝の顔に、なぜがペンライトを当てながら、香坂真琴は詰め寄った。