天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(前編)

瞳が真っ赤になり、そのまま腕ごと斬り裂こうとした寸前、俺は光の攻撃を受けて、ふっ飛んだ。

「女の癖に!」

光一は、手のひらを突きだしていた。

「勝てると思ったか!」

血が流れる腕を見て、光一の目も赤く光った。

「王の体に!傷を!」

光一の口から牙が生え、両手の爪が伸びた。

「王とか神とか〜どうでもいい」

俺は立ち上がると、構え直した。

「お前を倒し、人々を落とすことをやめさせる!」

「無駄だ。もう数十万人の魂は集まっている。後は、発動させるだけだ」

光一は、鼻で笑った。

「止める!」

「無理だ」

光一の魔力が、上がる。

「やってみせる!」

俺は、突きの構えを取った。

「女が、男には勝てない!」

光一の全身を赤い炎の魔力が、覆いつくす。

「違う!男は、女に勝てない!」

俺は、光一に向かって再び、走り出した。






「結界を発動させるな」

空の割れ目から、下りてきた天使の命に、後から続く影が頷いた。

「は!」

2つの影は、空中で別れると…1つは屋敷の中に、もう1つはリンネ達の側に下り立った。

「!」

九鬼は言葉を失い、サーシャは舌打ちした。

「あんたが来たのね。サラ」

リンネは、肩をすくめて見せた。

「フン」

サラは、鼻を鳴らすと、リンネを横目で睨んだ。

ニメートル近い体躯に、赤髪から突きだす…2つの折れた角。

1つは、ジャスティンゲイに折られ…もう一本は、サーシャによって折られていた。

しかし、その戦いの前に、サーシャはサラによって、命を奪われていた。

因縁の2人が、再び出会ったのだが、サラは気にかけることなく、屋敷に目をやり、

「邪魔するな」

それだけを、サーシャ達に言った。

「はいはい〜。相変わらずね」

リンネは、片方の肩をすくめて見せた。

その時、屋敷内で、凄まじい爆発音が聞こえてきた。

「やってるようね」

リンネは、笑った。