(あの男はまだ、人前で事を起こす気はない!生徒達に紛れれば、大丈夫だ)

そう考えたのは、ロバートだった。




「まあ…いい」

光一は、フッと笑った。

「やつらを殺るのは、いつでもできる」

まったくダメージを受けていないことを確かめると、光一は出入口に向かって歩き出した。

「それに、この学園を破壊することも、いつでも可能だ。それにより、この世界はブルーワールドと完全に、切り離される」

光一は階段を下りだした。

「しかし、それでは…人間が残ってしまう。ゴミを棄てる廃棄場は、必要だからな」

「赤星君!」

下の階につくと、取り巻き達が、光一に群がってきた。

「ごめん、ごめん」

愛想笑いを浮かべると、再び取り巻きを引き連れ、光一は歩き出した。

(フン。ゴミどもが)

心の中では、毒づきながらも。

(まあ〜いい。棄てる前に、調べてみるか。人間の醜さをな)

「赤星君」

一番積極的に話しかけてくる女子生徒に、光一は顔を向けた。

じっと彼女の目を数秒見つめた後、

「何?」

優しく微笑んだ。

「あ、いや…」

真っ赤になる女子生徒を見て、光一は決めた。

(ゴミでも、こいつは…燃えるゴミだな)

光一は心の中で、にやりと笑い続けていた。

炎を燃やしながら。