「そんな検索で出てこないだろう。しかし、相当な金持ちだと聞いている」

「ですね。でしたら…信憑性は落ちますが…」

舞は、サイトを移動させた。

巨大掲示板にアクセスすると、開八神と打ち込んだ。

そして、表示されたスレッド名を見て、

「いい噂はありませんね」

クリックしたが、すぐに読むのをやめた。

「レダに関してはどうだ?」

「彼女は…評判がいいようです」

「まあ〜匿名サイトでの書き込みを、百パーセント信用はしないが…」

高坂は、パソコンから離れた。

「今のところは順調というところか」

と呟くように言うと、出入口に向かって歩きだした。

「こんな時間にお出かけですか?」

時間は、もう八時を回っていた。

「ちょっと呼び出しをくらってな」

高坂は、外に出た。





「寒っ!」

体育館裏に集合したのは、里奈達…月影であった。

高坂が部室を出ると、みんな集まっていた。

「揃ったわね」

理香子と九鬼の前に、里奈、夏希、蒔絵、加奈子、桃子、蘭花が立っていた。

「突然だけど」

理香子は、みんなの顔を見回し、

「しばらく、月影の力を封印します」

「え!」

里奈と夏希だけが、口を上げた。

他は無言である。

「先日…。月の光が汚染して、あなた達が操られるという事態に陥りました。敵の力は、強大です。また再び、月影が操られるかもしません。そんな危険がある為、乙女ケースを回収致します」

理香子の説明を聞いて、蘭花はその場から歩き出した。

「黒谷さん!」

理香子は、蘭花の背中に叫んだ。

蘭花は足を止め、

「お言葉ですが…。先日のことは、あたしが未熟だっただけです」

それだけ言うと、理香子に頭を下げ、体育館裏を後にした。

「あたしもそう思う」

加奈子も、理香子に背を向けると、手を上げて去っていった。