「だけど…大人しくはできないね」

俺は仕方なく、歩き出した。

(この世界を、崩壊させる訳にはいかないからね)





「だけど…向こうの世界には、別の人間が行ってるんだろう?彼らと力を合わせたら、いいんじゃないのかい」

頭を上げたジャスティンの言葉に、罰が悪そうに僕は鼻の頭をかくと、

「いやあ〜。彼女達を送り込んだ人には、僕はこの世界を守れと言われてますし…。それに…あのお…」

「うん?」

口ごもる僕に、ジャスティンは首を傾げた。

「助けに向かった人達に問題が…。1人ならまだしも…2人…。ア、アルテミアが知ったら…あははは」

突然、笑い出した僕を、ジャスティンは訝しげに見た。

仕方あるまい。

どんなに、力があっても…アルテミアが怖い。

この世で、一番。

それが、僕の弱味であるけど…すべての行動の根っこでもあった。

アルテミアがいるから…。

僕は何でもできるのだ。

そう…これからも。