ジャスティンの話を、僕は黙って聞いていた。

「それに、彼らが空から落ちてきた時を調べてみると、空間に亀裂が入っていたことがわかった。すぐに、自然修復されているが…世界中の空を探ってみると、何度か穴が空いた事実が浮き彫りになった。そんなことを感知し調べるできるのは、空間把握能力者だけだ。百人が落ちてくるまで、気づかなかったよ」

「そうですか」

僕は空を見上げ、

「やはり…すべての空間を守ることはできていませんか」

呟くように言った。

僕の言葉に、ジャスティンははっとなった。

「ま、まさか…君が!?」

僕は悲しげにフッと笑うと、視線を握り締めた自らの拳に移し、

「ライに言われましたよ。お前は、自分の能力の使い方を知らないと…。僕は、強大な力を手にしました。それを戦いの中で、使い方を覚え…成長してきたつもりでしたけど…破壊する力は、経験できても、守る力が足りない」

さらに拳を握り締めた。

「赤星くん…」

「ジャスティンさん」

心配そうなジャスティンに、僕は敢えて強い視線を送ると、言葉を続けた。

「問題は、僕が生まれた世界で起こっています。しかし、ある人に言われたんです。僕があの世界に戻ると、バランスを崩すと…だから、行ってはいけないと。その為、別の人間が行ってるんですけども」

僕の瞳から、ジャスティンはその力を垣間見ると、静かに頷いた。

「成る程…。君はもう神レベル。いや、神だ。そんな君が、不安定になっている世界に行くことを、その人は注意しているんだろうね」

「神と言っても、何もできません。いや…やり方を知りませんから…」

少し項垂れる僕に、ジャスティンは優しく話しかけた。

「君は君なりに、この世界を守ってきた。そして、今も…この世界だけではなく、生まれた世界も守ろうとしている」

ジャスティンは僕に近付くと、肩に手を置き、

「それで十分だよ。君には力がある。その力の使い方も、追々わかってくるだろう」

「ジャスティンさん」

「僕がここに来た時、君は最初気づかなかったね。まるで、意識を別の場所に集中させているような感じがしたが」