球技大会はあれやこれやと進んでいき……

僕たちのクラスは決勝まできた。



「まっ、余裕だけどねー」



黄金井が笑う。


髪の毛が邪魔なのか可愛らしいピンでとめている。



ジャージ姿の黄金井は可愛い男の子だ。



「黄金井くーーん!」



他クラスの女子がきゃあきゃあ叫ぶ。


黄金井も笑顔で手をふる。


八重歯がちらっとみえた。



普通にしとけば可愛いやつなんだが…



「何、まじめくん。じーっと見てきて」



「いや、あーファンがすごいな」



「まじめくんもさ、株あがってんだよ?今回の活躍で」



は?



「会長〜!」



黄金井ほどではないが、黄色い声が騒いでいる。



「ほら、笑顔で手を振って」



「え、笑顔でって…」



こんなこと初めてで、顔が赤らむ。


俯きながら手を振った。



「きゃーッ可愛いー!」



「ウケがいいねー」



黄金井が楽しそうに笑う。



「女子はよくわからない生き物だ…」



「「ぎゃーッ王子ーッッ!!!!」」



爆発音かと思った。



「はあーい!可愛いレディー達ー☆」



ウィンクと投げキッスを飛ばしまくる桜樹。



「あいつも理解不能だ…」



「おもしろいじゃん」



黄金井は軽くそう言うと、準備体操を始めた。



こーゆうのは真面目なんだな。