「始…まさか始は眼鏡を外すとイケメンバスケット少年に変身するとは…………名付けよう!『スパイシー眼鏡王子』」



「わけがわかりません」



「俺のハイセンスは伝わらないか……」



ヤレヤレと大袈裟に桜樹は首を振り、眼鏡を返してきた。



「いいじゃーん、『スパイシー眼鏡王子』」



黄金井が笑いながら会話にはいる。



「ボクは〜桜樹〜」



「『スゥィ〜トやんちゃ王子』だな☆」



「スゥィ〜ト!」



馬鹿でかい笑い声をあげる黄金井。



こんなヤツに負けるとは……。



「桜樹は!?」



「『メチャモテダイヤモンド王子』に決まってるだろ!」



「ダイヤモンドって」



「ダイヤモンドみたいに美しく輝いているからさ!ねっ子猫ちゃん達☆」



「「王子〜!ハイセンス〜!」」



黄色い声。
笑い声。



とてもあほらしい…が



何だか悪くない気がする。



球技大会だって…何だか楽しみになってきた。



なんか、黄金井に会ってから…学校生活が騒がしい気がする。



前はこんなに話しかけられることなんて……



桜樹とだって…。



ふと黄金井と目があった。


何だかビックリしてしまって目を背けてしまった。



ん…?


まてよ、これは…