「確かに…女子から批判があるわけだ…」



「ほら、まだ終わってないよ!あ、そーだ。この試合…まじめくんが勝ったら…


髪の毛黒にしてもいいけど?」



その言葉でスイッチがはいった。



「桜樹、目がね持っててくれませんか?」



「え、ああ」



目がねを外して渡す。



笛を誰かが鳴らして、ボールがあがった。



またさっきと同じ流れ……


「まじめくん、もらうよ!」



手がのびてくるが、体を回転させて避ける。



僕はそのままボールを投げた。



「は!?」



黄金井が叫ぶ。



ボールは綺麗にゴールにはいった。



クラスメイトみんながわーっと騒いだ。



「ちょ、なにそれ!!ずるい!」



赤を真っ赤にする黄金井。



柊が抱き着いてくる。




「始ー!お前すげー!この距離からさらっといれて!」



「スピードだと黄金井には負けますから」



黄金井にさっきのお返しにニッと笑ってみせる。



「ふーん、ただのがり勉じゃないんだね!目がねはダテなわけ?!」



「コンタクトの上からまた目がねかけてるだけだ」



「残りで絶対絶対ボクが勝つもんねー」



子供みたくあっかんべーをする黄金井。



「じゃあ、ラスト!」



笛とともに、ボールがあがる。


負けるわけにはいかない!