昼休み…
僕は女子生徒の群れをかきわけ柊くんの前に立った。



「まじめくん…?珍しいね☆」



「実は折り入って頼みたい事があるんですが」



「俺に?」



思ってみなかった事に柊くんは目を少し輝かせている。



「じゃあ、ちょっと場所かえよ!あ、子猫ちゃん達〜お留守番いい子にしててね☆」



黄色い声が響いた。


子猫ちゃん達……
彼女は猫に例えられて何故喜ぶのだろうか。


「で?なに?」



屋上の扉をあけながら
柊くんは聞いた。



「僕に恋について教えてほしいんです」



「ぶ…っ」



僕の発言に吹き出す柊くん。



「こ、恋?まじめくん、魚の鯉とかじゃなく?」



「魚類の鯉についてわざわざ柊くんに聞いたりしません」



「え、まじめくん…まさか恋してるの?」



落ち着かない感じに柊くんが聞いてくる。

なんだか楽しそうに見える。



「していません…というかよく僕には解らないのですよ、恋とやらが」



屋上のフェンスへ歩いていき、空をながめる。



「だから、俺に?」



頷く僕。



「ていうか……恋したことないの!?」



またもや頷く僕。