あと3秒………

2秒…………

1秒…………

0.5秒………


チャイムが鳴り響く。

「…後はもう遅刻ですね」

ふーっとため息をもらして木本さんに言った。

「そうですね。…そういえば会長…昨日は」

「昨日?」


「おはよう!☆」

「おはようじゃありません、柊くん」

「そんな恐い顔するなって☆」

この人はやたら語尾に☆がつくな……


「おっ!これはこれは副会長の木本望さん♪おはようございます☆」

「ドウモ」

「つれないな〜」

木本さんはみつあみを揺らしてそっぽを向いた。

「会長さん!俺はギリギリセーフだよね♪チャイムが鳴り終えるまでだし☆」

「チャイムが鳴り終えるまでに教室に!ですから遅刻です」

「ありゃ…?」

笑って去っていく柊。

「私、あんなチャラチャラした方苦手です」

「確かに木本さんは苦手そうですね」


「私は…もっと真面目で…誠実な…」


木本さんの眼鏡の奥の瞳がこちらを見つめてくる。


「?」

「い、いや、何でも」


何だか木本さんも何を考えているか時々わからない。