目が覚めると
保健室のベッド。

眼鏡がない。
視界がぼやけている。

「眼鏡…」

「はい!まじめくん!」

「あ、ありがとうございます。はじめですが」

眼鏡をかけた途端、叫んだ。

「黄金井ーーーー!!!!!」

「わあ!そうだけど!?」

にこにこ笑う黄金井。

「きっきみっきっきみ…」

「バレちゃったか…」

ぺろっと舌をだす黄金井。

「女装趣味があったのか………ッ!!!」

「ちっがーう!!!」

「じゃあ…もしかして君は…」




「そっ!黄金井夕陽!ピチピチの女子高生だよー!」



ウィンクする黄金井。

いや黄金井さん。


嘘だー!!!!

「しっ指定のスカートをはきなさい!!」

「第一声がそれー?」


「みなさんは…っ"黄金井くん"って…」

「それはボクがこんなんだからさーあだ名みたいなもんだよ♪」

「ボクって何ですか!!!ボクって!!!」


「親みたいだねー」


ケタケタ笑う黄金井さん。


「スカートって動きづらいしさー男の子と思われるなら男の子で通すのも楽しいかなって!」

オレンジ色の猫毛を揺らしながらニコッとわらう黄金井はもう女の子だ。



「君には一般的常識はないのかーッ!!!!」